ピストバイク

【ピストでポタリング】GW初日はFUJI FEATHERで海まで

2021年のGWが始まった。しかし今年は緊急事態宣言真っ只中。旅行には行けないし、買い物や外食にも行けない。

でもせっかくのGW。仕事に追われる忙しい日常の中での、束の間の休息。何かしらの行動はしたい。

というわけで、自転車で軽く出かけることにした。

ポタリングに行く

4月30日の夜、仕事を終えた僕は、これから始まる5日間の連休のスケジューリングのため、iPhoneの天気予報アプリとにらめっこをしていた。

土日は雨、月は曇り、火水は晴れ。

どうやら今回のGWは天気も味方してくれないらしい。

出鼻を挫かれ肩を落としたが、天気の回復を待ちながら、土日は体を休めて週明けから行動することに決め、その日は早めに就寝した。

翌朝、ベッド越しのカーテンの隙間から差し込む眩い光で、目を覚ました。

晴れだ。

前日までの天気予報が嘘のように、朝から青空が広がっていた。GWらしい、初夏の暖かさだ。

時計を見ると、まだ8時前。

ずっとやってみたかったことがあった。自転車で海を見に行くことだ。思いはするが、なかなか重い腰が上がらず、行動に移すことができなかった。

しかし、「せっかくのGW初日の晴れを無駄にしたくない」という思いが、腹を決めさせた。

ポタリングに行こう。

羽田を目指して

このご時世、趣味として自転車はちょうどいい。密になることはないし、人との接触もないから飛沫の心配もない、外を走っているので当然換気も問題なし。車と違って渋滞に巻き込まれることもない。

素早く朝の支度を済ませ、バックパックに荷物を詰め込み、愛車のピストバイクFEATHERのタイヤに空気を詰めた。

万一に備え、いつものツールケースも持っていく。

ピスト乗りにおすすめ ツールケースの中身を紹介

ここ最近、まともにピストに乗っていない。近場で買い物に出かけたり、運動不足を気にして多摩川沿いを軽く走る程度。往復20kmを超えるライドは半年以上していないだろう。

なまりきった自身の体に不安を覚えつつも、どこに向かうか考える。

ポタリングとは本来、目的地を定めることなくゆるゆると散策することを言うはずだが、そうは言ってもある程度の目的地は必要だ。

海が見たい、爽やかさを感じられるコースがいい、あまりにも遠すぎるのは嫌だ。
この3点を考慮した結果、多摩川沿いを走り、羽田空港方面に行くことに決めた。

そのときふと思い出した。以前にも一度、羽田方面に行こうとして、目的地に設定した(しかし行かなかった)場所があった。

TREX KAWASAKI RIVER CAFEだ。

川崎市殿町の多摩川沿いにある施設で、川を挟んで向こう岸に羽田空港が見える。アクアラインの入り口がある浮島のすぐ手前なので、河口に位置する。ここなら海まで行ったと言っていいだろう。

グーグルマップでTREX KAWASAKI RIVER CAFEを目的地に設定。距離はおよそ28km。この距離は運動不足の僕にとっては十分すぎるロングライドで、ましてや固定ギアのピストバイクで行くにはまあまあキツイ距離。

意を決してFEATHERに跨り、ペダルを漕ぎ出した。

二子玉川へ

目的地を設定したが、今回はあくまでポタリング。初夏の風を感じ、風景を楽しみながら、ピストとの一体感を味わう。これがメインコンテンツだ。

まずは最初のチェックポイントとして二子玉川へ向かう。

僕の家は多摩川沿いまで自転車で数分で出られるところにあるので、そのせいもあってか二子玉川へは何度も行ったことがある。

距離にして約10km。今回はあえてサイクルコンピューターは外してきた。スピードを意識することなく単純にポタリングを楽しみたかったからだ。

とは言え、慣れ親しんだ道なので、途中で立ち止まって写真を撮ったりすることもなく、20分ちょっとで二子玉川に到着。

二子玉川に自転車で行ったらいつも寄るところがある。二子玉川公園だ。二子玉川ライズを抜け、川下方面に少し行ったところにある公園で、階段を登ったところに広々とした眺望広場がある。

眺望広場にはスタバがあり、コーヒーを飲みながら多摩川沿いの風景を楽しむことができる。

時間はまだ9時をちょっと過ぎたくらいだったが、それなりの人がいた。

何も食べすに水を一杯飲んだだけで飛び出して来たので、ここでちょっと休憩していくことにした。

アイスのキャラメルマキアート。フードは買わない代わりに、これで糖分を摂取しておく。

川沿いの小高い開けた公園。風を遮るものは何もない。都会と自然のちょうどいい交わりを感じながら、しばし休憩。

だいぶ熱くなってきたので上着のノースフェイスのコーチジャケットを脱いで、半袖のTシャツ姿になった。汗ばんだ体に吹き付ける風が心地いい。地肌に日差しが降り注いだ。

丸子橋〜多摩川大橋

次のチェックポイントは、大田区田園調布と川崎市中原区を結ぶ丸子橋。

二子玉川公園より先には自転車では行ったことがなかったが、数年前に周辺の河原で友人とバーベキューをしたことがあるので、なんとなくの土地勘はある。

何より二子玉川から多摩川沿いに下るだけなので、特に迷うこともない。シンプルに左岸のサイクリングロードを走ろうとしたが、ここで思わぬ落とし穴。

川沿いの道は砂利道だった。さすがにピストで砂利道は無理なので、多摩川のすぐ横を走る道路を進む。道幅は広くなかったが、まだ9時台のせいか車通りは多くない。

苦もなく丸子橋に到着し、悩んだ結果ここで右岸に渡ることに。バーベキューしたときの記憶から、右岸の方は整備されたサイクリングロードになっていると判断したからだ。

予想通り、右岸は川沿いを走ることができた。フラットなサイクリングロードとは言えず、結構なでこぼこで振動が伝わってくるが、砂利道よりは遥かにいい。

車を気にする必要がないので、ポタリングに集中できる。

右岸は運動場が多く、子どもから学生、大人まで、野球やサッカーをやっている姿が見えた。

丸子橋から走ること約5km。多摩川大橋に到着した。この間、結構な振動が続いたため、少し体力を削られた。

ここで多摩川は大きく湾曲するため、右岸は一度サイクリングロードが途切れる。御幸公園のところから川沿いを離れ、街道で港町を目指していく。

街道を行く

ここからは完全に未知の領域。電車でも行ったことがない。

国道1号線を遠藤町の交差点で折れて、国道409号線に入る。幸町→本町と走り、六郷土手の反対岸を迂回して、港町に入った。

港町からは一気に道が開け、海が近づいていることが感じられた。

ここまでで20kmは超えている。普段の走行距離から言えば、結構体力を消耗しているはずなのだが、不思議と疲れはない。

目的地が近づいている喜びと、知らない街を走るワクワクが勝っていた。

川崎大師から京急大師線の踏切を渡り、いよいよラストスパート。

大師JCTの歩道橋を渡ると、アクアラインの入り口がある浮島がすぐ目の前まで来ていることに気づいた。

ここまで来ればほぼゴール。

道路沿いに見えるKING SKYFRONTの看板から多摩川沿いに出れば、羽田空港が見えるはずだ。

到着

目的地としていたTREX KAWASAKI RIVER CAFEに到着した。

時間はだいたい11時。9時少し前に家を出て、20分くらい二子玉川で休憩したので、所要時間は2時間弱。ほぼ予定通り。

お昼にはまだ少し早かったので、河口沿いを行けるところまで走った。

人影はまばら。車の走る音もなく、ゆったりと静けさが漂う。

潮風の向こうには、羽田空港が見えた。

TREX KAWASAKI RIVER CAFE

写真を撮りつつ、少し休憩したあとで、TREX KAWASAKI RIVER CAFEでお昼を食べた。

川崎キングスカイフロント 東急REIホテルに併設されている。中にはサイクルショップもあるため、サイクリストも多い。

店頭には自転車をかけるラックも置いてある。

 

店内はアメリカのガレージを思わせる内装。サイクリストの他、家族連れのお客さんも見られた。

 

ランチメニューから、ローストチキンのバルサミコ酢ソースかけを注文。バルサミコの酸味が疲れた体に沁みる。

行きはよいよい帰りは怖い

夕方くらいから天気が崩れるとの予報だったため、ランチ休憩したあと、早めに帰路につくことにした。

帰りは、TREX KAWASAKI RIVER CAFEの横の川沿いをそのまま走る。六郷橋まで舗装された滑らかなサイクリングロードになっていて、次来るときは絶対こっちを通ろうと思った。

六郷橋まで来たところで、体の異変に気づく。お尻と手のひらが悲鳴を上げていた。

行きはアドレナリンが出まくっていたために痛みに全く気づかなかったが、ランチで一息ついて、そのアドレナリンはすっかり消え去り、結果、猛烈な痛みに気づいてしまった。

怠けきった体に、いきなりの約30kmのライドはやはり酷だったようだ。

六郷橋で向こう岸に渡り、あとはずっと東京側を走った。そこからはひらすらキツかった。

お尻と手をかばうため、半分立ち漕ぎみたいな姿勢で走り続けた結果、太ももが一気にやられてしまった。こういうとき、足を止めることができない固定ギアを呪う。

数km走るごとに立ち止まり、小休止を挟んでまた漕ぎ出す。この繰り返し。しかも帰りは向かい風。疲れは倍増。

なんとか二子玉川まで帰ってきて、行きと同じく、二子玉川公園のスタバで休憩。

ここにスタバがなかったら、僕はきっと家にたどり着けなかったと思う。

青天の代償

スタバでの休憩で僅かながら体力を回復し、その後もストップ・アンド・ゴーを繰り返しながら、なんとか自宅まで帰ってきた。帰りは2時間半以上かかった気がする。

フラフラになりながらシャワーを浴びて、そのときになってようやく気づいた。

とんでもなく日焼けをしたことに。

行きのスタバ休憩のときにジャケットを脱いで、その後はずっと半袖でいたのだが、日焼け止めを塗ることをしなかった。

というよりも、ロングライドしてなさすぎて、「晴れた日に長いこと自転車に乗ると日焼けする」ということ自体忘れてしまっていた。

僕はもともと色白で、肌がそんなに強くない。

一日経って、まだこの状態。日焼けというより、ほぼ火傷。

熱を持ってヒリヒリ痛む手で、今このブログを書いた。

当分ピストでロングライドには行かないだろう。

そしてまた忘れた頃にふらっと出かけ、同じように日焼けして後悔するのだと思う。